プロジャグラーのパフォーマンス

まろ | ジャグリング

大事なステージでミスを抑えるためのメンタルコントロール①

更新日:

こんにちは、まろです。

ジャグリングは他の舞台表現に比べて失敗の可能性が高いので、本番でミスを抑えるには普段の練習、コンディション調整、本番前のウォーミングアップ、メンタルのコントロールなど、様々な要素が必要になります。

今回は僕が大事なステージでミスを抑えるために心がけていることのうちの1つを紹介していきます。

大事なステージでミスを抑えるためのメンタルコントロール

・より大事な本番がある

ステージ、本番といっても実は全て同じように大事なのではなく、より大事な本番があることもあります。

本番に重要度の差なんてあるの?と思われるかもしれません。

もちろん本質的にはどのようなステージ、劇場、観客数などでも、状況に左右されず常に最高の演技を心がけるべきだし、多くの演者もそうしていると思います。

でも演者も人の子、例えば3か月続くショーに出演するとしたら、やはりショーの初日、客席が満席の日、拍手や歓声が起こりやすい日、ゲストが客席にいる日、ショーの最終日が迫ってからの期間、ラストステージなど、どうしても気合が入る、気持ちが昂るステージがあります。

そういう日はさらに自分だけではなく他の出演者やスタッフも感情的になりやすく、その影響を受けやすいということもあります。

僕もよくそういう状況になるので気持ちは分かるのですが、感謝や喜び、興奮を持ってステージに上がるのはちょっと危ないと思っています。

・演技の一部でなければ不必要に心を動かさない

なぜ興奮を持ったままステージに上がると危ないのか。

それは不必要な身体の緊張、集中のしすぎによる普段の手順忘れ、呼吸が浅くなって舞台上での余裕がなくなったり、技術のミスを誘発しやすくなるからです。

僕自身もどちらかというと気持ちが動きやすく、ありがたいな、嬉しいな、これでこのメンバーとは最後だな、そんな気持ちから感極まったりしてしまうこともあります。

ただ繊細な集中力が必要なジャグリングでは、気合を入れても良い結果にはつながりません。
どちらかというとリラックスした集中が必要。

なので僕は自分が感情的になりそうな時、ステージ上でお客様に感謝したくなる時などは、あえて心を動かさないように意識しています。

「ありがたいな、最高の演技を見てもらおう!」

「だけどそれはそれ」

深く呼吸をし、丁寧に動くことだけに集中する。

「よしやるぞ!」というような気持ちはポジティブな分よしとされがちですが、それも行き過ぎると悪影響が出る可能性があるということを認識しておきましょう。

ステージ上での不安=緊張というのは理解しやすいと思いますが、時には興奮もまた緊張ということです。

観客や仲間への感謝、興奮や喜びは、自分の演技や表現には関係のないもの。
個人的な感情は舞台の幕が下りて、カーテンコールの時に表現すれば良い。

それでも舞台での立ち姿にその気持ちは滲み出てしまったりするもので、それがまた普段とは違う「今日は特に良かった!」というような演技にもなるのですが。

ただステージに立つ側としては、プロとして「演技そのもの」に集中できるよう、個人的な感情が昂っていることに気づいたらあえてクールダウンに努めましょう。

これは僕の個人的な経験ですが、今でも毎回気を付けていることです。
本番でいつもの力が発揮できないという人はぜひ意識してみてください。