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まろ | ジャグリング

フラテリーニサーカス学校と11年越しのリベンジの話

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こんにちは、まろです。

旧ブログの保存記事でパリのフラテリーニサーカス学校で行われたシルク・ドゥ・ソレイユのオーディションに合格した時の記事があるのですが、その時に合わせて書きたかった個人的な裏話があります。

実は僕は2004年にフラテリーニを訪れていました

当時僕はフランスで文化庁の留学生として受け入れてくれるサーカス学校を探していました。

そしてその時訪れた学校の1つがフラテリーニ。

当時の僕は初めての海外で、英語もフランス語も会話は片言。フランス語は独学で検定3級に合格していましたが、初めてのフランス、交渉事には全く使えないレベル。

1月のパリ、最初のフランスではご飯を食べるのも苦労していました。

そんな時知人から得た情報を頼りにフラテリーニへ。

到着したのは夕暮れ時、目の前には車に乗り込もうとする学校のスタッフが。

何とか引き留めようと「ボンソワールムッシュー」と声をかけました。

その後の会話はほとんどできないのですが、僕も人生賭けてパリまで行っているので後には引けません。

話しならあっちの事務所で、と投げやりにあしらわれ、まだ開いていた事務所で入学試験の話や条件を聞き、持参したVHSのビデオテープを受け取ってもらいました。

ただフランスのトップレベルのサーカス学校はほとんど入学の年齢上限が26歳と決まっています。(少なくとも当時は)

その時点で僕は26歳で、文化庁からの派遣は翌年以降になると伝えるとどこも年齢を理由に断られる、それを繰り返していました。

フラテリーニでも同じく、入学試験を受けることも叶わず。

その後渡仏を重ねても、ベストのサーカス学校には受け入れられず…ある意味望みを絶たれた状態でした。

その後最終的にはドイツのサーカス学校に留学をすることができ、Viktor KeeやSergei Ignatovなど、一流のジャグラー達に学び人脈も作ることができたので結果的にはそれで良かったのですが…それはまた別の話。

オーディション会場は…フラテリーニ

2015年、シルク・ドゥ・ソレイユのオーディションで指定を受けた会場は…パリのフラテリーニ。

当時はオーディションに合格することだけを考えていたので、会場がフラテリーニということに特に感想はなかったのですが、オーディションに合格した4人で学校を出た後に、喜びが爆発しました。

11年前に試験も受けられずに門前払いされたフラテリーニでシルク・ドゥ・ソレイユのオーディションに合格!

世界中から集まったアーティストの中で、フラテリーニ出身のアーティストもいる中で。

言葉は悪いかもしれませんが11年越しのリベンジ。

思うように物事が進まなかった時も、諦めずに道を探し続ける。努力を続ける。

何かそれまでのヨーロッパでの努力が報われた、そんな感慨に浸ったことを覚えています。

何事も続けていればこそ。

思えば人前に立つようになって今年で29年目。

1日の積み重ねを大切に、これからもしっかりやっていきます。

関連記事:シルク・ドゥ・ソレイユパリオーディションの内容と合格の記録