こんにちは、まろです。
何年か前の話ですが、僕はパリで行われたシルク・ドゥ・ソレイユのオーディションに合格しました。
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オンライン審査を通った30組ちょっとが本番に参加し、そのうち4人が合格でした。
9ボールから演技をスタートするほどレベルの高いジャグラーが不合格になる中で、僕が刀4本までの演技で合格できた理由は3つあると考えています。
今回は僕がジャグラーとしてシルク・ドゥ・ソレイユのオーディションに合格できた理由を解説していきます。
理由その1.からだのトレーニングをしていた
僕は普段から筋トレをしていたので、オーディションの課題に出たロープのぼりや懸垂、ぶら下がっての足上げ腹筋を標準回数以上はクリアできました。
そしてストレッチもしていたので、前屈や180度開脚などの柔軟性も見せることができました。
サーカスアーティストにとって筋力や柔軟性などの身体能力のトレーニングは基本中の基本。
ジャグラーには必須の能力ではありませんが、だからこそ普通のジャグラーが持っていない身体能力をみせられたことは有利に働きました。
理由その2.演劇もダンスも訓練していた
オーディションでは課題を出されて即興の演技をしたり、音楽にあわせて即興でおどるというような課題もありました。
ここで見られたのは演技力やダンスの素養はもちろんですが、一番は「できないことにぶつかった時にどう向き合うか」を見られていたと思います。
それでもやはり、当落線上にいたアーティストが演技を見て不合格になったりもしていたので、演技、ダンスができることは助けになりました。
もし経験がなければ、無茶ぶりともいえる課題がだされた時にまともな演技やダンスはできなかったでしょう。
理由その3.オリジナルの道具で演技をつくっていた
刀をイメージしたオリジナルの道具を使っていたことがオーディションに合格できたいちばん大きな理由です。
理由1と2は補助的な要素、もしかしたら体力や演技力があまりなくてもオーディションは通ったかもしれません。
でも理由3、オリジナルの道具を使っていなければオーディションに合格することはまずできなかったでしょう。
僕のほかにも2人ボールジャグラーがいたのですが、どちらもそれぞれのスタイルを持ち、技術レベルもとても高かったです。
特に片方は最初の技は9ボールフラッシュで、途中で何回も7ボール5アップスピンを入れたりするようなレベルの高さ、さらにサーカス学校出身でからだも動くし作品コンセプトもある、演技力もありました。
でも彼は不合格、僕は刀4本までしか投げなかったけど合格。
ジャグラーとしての能力は彼の方が圧倒的に高かったのは間違いありません。
でも彼が合格しなかった理由は何か。
それは彼がボールジャグラーだったから。
サーカスの世界には上手なボールジャグラーはすでにたくさんいます。
残念ながらジャグリングが上手というだけではすでに見たことのある、何千人といる上手なボールジャグラーの1人に分類されてしまいます。
僕は技術的にはそこまで難しい技はやりませんでしたが、道具がオリジナルでさらにアジア人の刀パフォーマンスというスタイルもありました。
その時点でほかでは見たことのないもの、オリジナルになることができた。
オーディションに合格した理由はこれにつきます。
オーディションと同じ刀の演技、ドイツ初演動画
・まとめ
ショービジネスの世界では、自分のソロだけではなく他のアーティストと共演するシーン、ダンスシーンなどもあります。
そういった時に良い演技ができるのか、それとも集団で演技を作る力がないのか、それによりそもそも契約が決まるのかどうかということにもつながっていきます。
僕がシルク・ドゥ・ソレイユに合格できた3つの理由、
- からだの能力
- 演技、表現力
- 自分だけのオリジナル演技
ジャグリングだけではなくこの3つを伸ばしていけると、プロのサーカスアーティストに近づいていくことができます。
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