こんにちは、まろです。
ジャグリングの演技をつくる時に、どのような観客を対象にするかにより演技の方向性、つくり方が大きく変わります。
今回は僕が海外のサーカスやステージショー向けにジャグリングの演技をつくる時の考え方を解説します。
1.ほかのジャグラーと大きく違う演技をつくる
サーカスや劇場でショーをする場合、ショーのディレクターは何百、何千というプロのアーティスト達を知っています。
そのつながりの中からジャグラーとして契約をもらうには、ほかでは見たことのないオリジナルの演技が必要です。
ほかのジャグラーがやっていない表現を前提に演技を作る意識がたいせつです。
2.キャラクターと状況をきめる
最初に自分のキャラクター、状況をきめましょう。
キャラクターと状況が演技の方向性をきめます。
たとえば典型的なラスベガスのステージショーのように、ジャグラーですよと拍手をもらいながら登場するようなキャラクター。
そのようなキャラクターなら、演技の途中に観客とのコミュニケーションや拍手のアピール、最後の技に向けて盛り上がっていく構成などがきまります。
またはシルクドゥソレイユに出演するジャグラーのように、ストーリーの中で自分のキャラクターがあると、表情、動き、技の使い方などすべてに影響します。
参考動画:シルクドゥソレイユのAMALUNA、Viktor Keeのキャラクター
まずは自分がどのようなキャラクターでステージに立つのかを決めましょう。
ただ気を付けたいのは、ラスベガススタイルのジャグラーはその時点で「どこかで見たことのある」ジャグラーになりやすいという点です。
ラスベガススタイルのショーなら差別化のために、どうやって観客の予想を裏切るか、驚きをあたえられるかを追及しましょう。
3.ジャグリングに表現の要素をかさねる
ジャグリングでプロとしてのショーを作るには、ジャグラー本人がどんな演技をしているかということがとても大切です。
なぜなら観客はジャグリングだけではなくジャグラーの演技、キャラクターも見ているからです。
ジャグリングだけではない演技、表現をつくるのに必要な要素を箇条書きします。
・音楽
- 曲調
- リズム
- テンポ
- 強弱
- なめらかさ
これらと一致した技、演技を意識しましょう。
音楽をBGMにしないように。
・動き
- ダンス表現(振り付け)
- 舞台上の移動
- アクロバット
- 力強さ、強弱
- するどさ、やわらかさ
- 動きの速度
・技
- 技のはじめかた、おわりかた
- つぎの技とのつなぎかた
- 技の幅、たかさ
- 技の方向性(ウインドミルなど)
・見た目
- 衣装
- メイク
- 視線
- 明確さ
- 観客からの見えかた
- 道具のもちかた、見せかた
- 技の軌道とからだの位置関係
・演技
- キャラクター
- 感情
- 表情
- ストーリー、起承転結
- 道具との関係
- 観客との関係性
・これらの要素をそれぞれの技にかさねる
ただのカスケードも、上にあげた要素を全部かさねるとまったく違うレベルの表現になります。
訓練をしていないと表現できない項目もありますが、音楽との一致や視線、明確さなど、意識するだけで変えられる項目もあります。
自分にできる部分を考えて、ジャグリングにかさねていきましょう。
・まとめ
サーカスやステージショー向けのジャグリングの演技をつくるには、
- ほかのジャグラーと大きく違う演技をつくる
- キャラクターと状況をきめる
- ジャグリングに表現の要素をかさねる
ことを意識しましょう。
特にジャグリングに表現の要素をかさねることで、ほかのジャグラーとの差別化、演技のクオリティを高めることができます。
できることを1つずつ増やしながら、ステージでの演技づくりをすすめていきましょう。