こんにちは、まろです。
僕は2015年にドイツ、レーゲンスブルクでThomas Dietzのプロジャグラー向けのワークショップに参加したことがあります。
ちなみにThomas Dietzは世界的にトップクラスの技術を持つ有名なジャグラーです。
僕がワークショップに参加した時に印象に残っている言葉があります。
それは
「自分はできる技しか練習していない」
という言葉です。
これは簡単な技しか練習しないという意味ではなく、全くできない難しい技に時間を使わない、完璧ではなくてもやれば何となくできる技までか練習しないという意味です。
ここに彼のジャグリング上達の秘密の一部が見えると思います。
やれば伸びる技しか練習をしない、無駄な練習に時間を使わずに、自分ができる、楽しい技だけを選択していく。
Jason Garfieldの練習方法についてのThomasのコメント
僕はジャグラーとしてだけではなく、Thomasがどうやって教えるのかという指導法にも興味があったのですが、その中でJason Garfieldの練習方法についても質問をしてみました。
JasonはWorld Juggling Federationというジャグリングをスポーツとして発展させる団体を設立し、そのWJFでの競技会はジャグリングの技術面での発展に大きく寄与してきました。
JasonはDVD、書籍でもジャグリングの練習方法について発信しているのですが、大きな特徴のひとつとして「その技がきれいに10回連続で成功するまで次のステップに進まない」というコンセプトがあります。(2015年時点)
例えば5ボールで5キャッチを10連続で成功するまで、5ボール7キャッチの練習には進まないということです。
できる技しかやらないという意味では共通する部分がありますが、その「できる」の基準がとても厳しい。
その10回連続で成功させて次に進むというシステムについて、Thomasは
「退屈」
と一言。
そして「確かにJasonはいいジャグラーだけど、彼はもう20年ジャグリングをやっているからね。そのやり方は退屈だよ」
とも。
確かにじっくり時間をかけて練習ができる子供はそのやり方でもいいかもしれませんが、そのストイックなやり方は飽きてしまう、もっと早く上達したい人には向かないと思います。
シルクドゥソレイユのジャグラーLaido Dittmarの考え方
現在僕自身は以前新ジャグリング競技会に合わせて来日ワークショップをしてくれたLaido Dittmarの考え方、投げる数の4セットに達するまでは3回連続で成功というやり方を取り入れています。
例えば5ボールなら5キャッチを3連続成功したら、7x3,9x3、21キャッチx3連続成功まで伸ばしていく。
その過程にはさらに練習内容の調整や考え方があるのですが、個人的に3回連続で成功したら次に進むという方法は良いリズムだと思っています。
Laidoによる才能がない人もある人と同じように早く成長するための練習法、理論は多くのジャグラーの参考になるはずです。
ちなみにLaido Dittmarは現在シルクドゥソレイユのCorteoに出演しています。
・最後に
Thomas、Jason、Laido、どのような方法で練習するにしても、全員に共通することは今自分にできる技、やれば伸ばせる技を練習するという考え方です。
もし練習中に大きなストレスを抱えている、思うように伸びない場合は、今練習している技が丁度いいレベルかどうか確認してみてください。